【2009年6月21日(日)】
サバランを買いに電車に乗って千歳烏山を目指す。
朝から雨。梅雨なり。
乗車駅は京王線永福町。そして、家から駅まではチャリなのだ。
駅に着くまでにけっこうずぶ濡れじゃんかよ。
30数年前、大学生だった頃、この駅には時々下りて駅前にあるJAZZ喫茶というかJAZZバーというかJAZZ居酒屋に仲間と入りびたり愚にもつかぬ与太話でいたずらに時間をつぶしていた記憶がある。
その店がどこにあったか、北口だったか南口にあったのかは、いまとなってはもうすっかりわからないな。
それほど人の記憶なんて案外アテにならないってことなのさ。
さて、サバランは、ネットから取り出した地図によると、この駅の南口を出たところにあるらしい。
方向オンチであるボクは、雨の中、片手に傘を差しながらもう一方の手にに持った地図を頼りに目指す店に向かって歩き出す。
結果的に、道に迷った。
地図がアテにならなかったというよりは、地図の平面性は、決して現場の複雑な道の事情をリアルにかつ立体的に伝えてはくれなかったのさ。
地図(平面)の質量感が情報として決定的に不足していたのだった。(実は、世田谷の道はもともと農道が多くて、車道には不向きなんだよな。場所によってはアリ地獄みたいにいったん入り込むと容易には抜け出せない車道もあって、世田谷方面はタクシーがいやがる場所が多いって聞いたことがあるのさ)
そうこうしながら、やっとこさ店に着く。
店内にある名刺を見て、ずいぶん遠回りしてたどり着いたことに気づく。
道に迷ったこと自体悔しいとは思わないが、無駄にした時間がきっちり雨にやられた時間とイコールであることがむなしく思われた。
先日、店に事前に電話で確認したところ、この店では、サバランは午後には売り切れてしまうことが多いと聞き、店で1個食べることにして、2個を持ち帰ることを伝え、予約を入れていたのだった。
そして、店のテーブルに着き、生まれてはじめて食べるサバランをスプーンですくって口に入れると、ブリオッシュ生地にの中から、ラム酒混じりのシロップがじゅわわわわ~~~んとしみ出てきて口いっぱいに広がったのさ。
同時に頼んだローズ・ティーの香りを打ち消すくらい強い香りとともにね。
ふむう~~~~。
高野豆腐よりも手強いやな。
話のタネに一度は食べておくべきお菓子なのかも知れないが、ボクにとっては2度食べる必要はないお菓子のように思われた。
いや、生きてはみるものなのである。
食べ終わり、テイクアウトで2個を持ち帰り、 店を出る頃には、雨は傘を必要としないくらいには収まっていた。
結局、午前中の雨がいちばんよく降る頃を見計らって外出したかっこうだ。
ファック!!